
【理事長からのメッセージ】ー老健を作ったわけー
クリニックを開業した当初は、私と理学療法士が一緒に在宅を回ってリハビリを行っていました。しばらくすると家族から「在宅で看たいけれどもこれ以上は難しい。施設に入りたい」という話を聞くようになりました。本人も家族も在宅で頑張っておられるのに、施設に入らなければならないのは残念だと思い、どうにか在宅支援できる施設はないかと考え介護老人保健施設を開設しました。
みなさんも私もいづれ年をとります。地域の方々が、身体が弱っても、安心して暮らせ続けられる環境を作っていきたい。大げさに言えば、早く年をとりたいと思ってもらえるようにしたい。それを実現できるのが、北寿会の理念です。
【当法人の理念は】
○経営理念
「家族の絆を深め、在宅生活の喜びを創造する」
○ 経営指針
1.利用者満足度の向上~利用者の目線にたった感動を呼ぶサービスの提供~
2.職員のモチベーションの向上 ~職員各人の自己実現をめざして~
○生活リハビリを含む広義のリハビリ方針
「利用者が在宅で個々の思いを達成できるよう、すべての職員が共通の意識を持って協力し、安全・安心をベースにリハビリテーションを行う」
【私たちの職場ここが魅力です】
1.経営方針や部門の目標を明確化し、法人全体で共有する。
私たちの組織では、毎年、経営トップが法人全体の運営目標・運営指針を定めています。
これに基づき、各部門の目標・実行プラン、個人の目標とブレークダウンして設定し、組織として、1年間を通じて目標を目指し、実行プランに取り組みます。
その成果・反省点を次の年の取り組みに反映する仕組みを継続的に行い、全体として質を高めています。(PDCAサイクルの実践)
なお、経営トップ、管理監督者及び職員が目標や実行プランを共有する「運営目標・実行プラン発表会」を懇親会を兼ねて、毎年、実施しています。
2.「人」が財産であると考える。
私たちは、職員を育てることが、サービスの質を向上させ、利用者の満足度につながるということに信念を持っています。もちろん、自己啓発も大変重要なことは言うまでもありません。
人事部門では、新入社員研修や階層別研修に取り組むとともに、職員には、社外の講習にも積極的に参加していただいています。
また、私たちの方針に沿った人事評価項目を作成し、しっかり上司による面談を行い、職員の気持ちを受け止めて、評価を行う人事評価システムがあります。評価は、賞与の査定のためだけではなく、出来ていることを褒めて、出来ていないことを指導教育して伸ばす、職員を育てるためのツールと考えています。
さらに自己申告制度により、個人の長期的な目標を把握し、職員の希望と適正を照らし合わし、可能な限り、職員がキャリアアップできるように支援しています。
職員の処遇についても、職員がより豊かで安定した生活が送れるように、経営効率を高め、充実できるように努力しています。
【特定加算に基づく取り組み】
当法人は、介護職員処遇改善加算Ⅰ、及び介護職員等特定処遇改善加算Ⅰを取得しています。
<介護職員処遇改善加算の取得に当たっての職場環境等要件は下記の通りです>
【入職促進に向けた取組】
「法人の経営理念に基づき、年度ごとの運営目標、運営方針を決定・明確化し、各部門で運営目標・実行プランを作成し、その達成に向けて取り組む」というPDCAサイクルをより充実させ、魅力ある職場をつくり、入職を促進させる。
【資質の向上やキャリアアップに向けた支援】
実務者研修の補助金に関する情報を提供するとともに、研修を受講できるように勤務日程について配慮し、事務手続き等も含め支援を行う。また、より専門性の高い介護技術を取得するための認知症ケア等の受講を進める。
【両立支援・多様な働き方の推進】
ハラスメント及びメンタルヘルスの相談窓口を設置し、心と体のケアを推進する。
【腰痛を含む心身の健康管理】
介護職員の身体の負担軽減のために、介護機器等の導入を検討・推進する。事故・トラブルへの対応マニュアル等を作成する。
【生産性向上のための業務改善の取組】
生産性向上や利用者の安全を確保するために、ICTの活用やセンサー等の導入を検討・推進する。
【やりがい・働きがいの醸成】
それぞれの職場で、ミーティング等で改善等の意見を出し合って、ケア内容の改善や勤務環境の改善を行う。小さな出来事カード『普段行っている業務を超えて行った「感動」につながる行動の記録』を共有し、お互いを認め合い、やりがいを醸成する。利用者やご家族からの謝意等の情報をグループウェアや掲示板に掲示し、共有する。
3.コミュニケーションと感謝の気持ち。
この業界は、多職種によるチームで業務を行います。また、医療・介護は
直接、人に提供するサービスであり、人と人の関係性が重要になってきます。
そのために、コミュニケーション・チームワークの重要性や接遇・マナー
について、ことあるごとに強調して取り組んでいます。
「ありがとうカード」はその一例で、職員間の感謝の気持ちを表すこのカードは、年末に数百枚集まり、職員から職員に送られます。
また、当法人の特徴として、PCの活用があります。全体で80台程度のパソコン・タブレットをネットワークでつなぎ、介護ソフトやグループウェアの活用により、様々な情報を迅速に共有できる体制を整えています。
さらに、職員は業務外で、「野球」「ソフトボール」「フットサル」「写真倶楽部」など自主的にサークル活動に励んでいます。
4.管理監督者の養成や教育の強化
組織運営の要である管理監督者をいかに育てるかが経営管理において、重要なポイントです。毎月、管理監督者は、経営管理の勉強会を行い、その能力を高めるために努力しています。その素養のある方、やる気のある方には、ポストを与え、成長できる場があります。
5.企業経営の視点の取り入れ
利益を目的とする一般の株式会社の経営手法をそのまま取り入れることはこの業界ではなじみません。職員は、利用者の幸せや地域の福祉に貢献することがやりがいにつながっています。
ただし、当法人も企業である以上、永続的に存続し、職員の生活を守り、経営理念を達成するために、健全な利益を得る必要があります。そのために、経営計画や経営戦略、マーケティングの考え(利用者ニーズの認識、魅力的なサービス開発、サービスの差別化、適切な広報活動など)など企業経営の視点を取り入れています。
上記のような取り組みを行い、私たちは少しずつ成長してまいりました。今後も、常に新しい知見を取り入れ、課題をクリアして、一段一段最終目標へと進んでいきたいと考えています。